30代後半から40代の父親たちを主人公にした、7つの短編です。人生の折り返し地点に立った男たちが、妻や子どもとのすれ違いに戸惑いながら、家族とのつながりを確かめ直していきます。
「また、がんばってみるか」と心の中でつぶやきたくなる本だ、という感想がぴったりの短編集です。家族の話に励まされた、中年の男の弱さがよく書かれている、という声が並びます。とくに、学校でつらい目にあっている娘と父親の話「セッちゃん」は、多くの人が胸を締めつけられた話として挙げています。「かさぶたまぶた」の名前もよく見かけました。
登場する父親たちの感覚が少し古く感じた、という声があります。20年以上前の本なので、いまの家族の姿とは違うところもあるかもしれません。それでも、親と子のすれ違いという芯の部分は変わらない、と受け止める人が多いようです。
ブクログには1万人以上が本棚に登録しています。第124回は、山本文緒『プラナリア』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。