昭和のはじめの長崎。丸山の芸者・愛八は、見た目にこそ恵まれないものの、三味線と歌の腕で町いちばんの人気を得ていました。ある日、長崎の歴史を研究する学者と出会い、二人は長崎の古い歌を探して歩くことになります。やがて見つけ出された民謡が「長崎ぶらぶら節」でした。実在の人物をもとにした話です。
愛八の生き方の気高さに心を打たれた、という感想が多く見られます。人のために身を尽くし、報われなくても凛として生きる。学者との、口には出さない思いのやりとりが切ない、という声もあります。長崎の町の歴史や風土がいきいきと描かれていて、言葉づかいが美しい、古さを感じない、と話す人もいました。
劇的な展開や、はらはらする場面はあまりありません。そこを物足りなく感じた人もいます。一人の女性の生涯をじっくり味わいたいときに向いている本です。作者のなかにし礼さんは、作詞家としても知られた人です。
ブクログに感想が寄せられています。映画化もされました。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。