50歳の仕立屋・淳蔵は、35年ぶりに故郷を訪ね、昔の親友・高瀬と再会します。高瀬の妻の美保子は、若いころの淳蔵が思いを寄せていた相手でした。やがて淳蔵は、年下の女性・佳世とも惹かれ合っていく。過去の恋と今の恋が、静かに重なっていく大人の恋愛小説です。
中年の恋を正面から描いている、という感想が多く見られます。重くて濃い、落ち着いた大人の小説だ、という声や、終盤の場面が強く印象に残った、という声がありました。題名の「愛の領分」という言葉に、恋にも踏みこんでいい場所とそうでない場所がある、という意味を読み取った人もいます。
登場人物にぴんとこなかった、共感できなかった、という声もあります。淳蔵と息子の関係がもっと描かれていてほしかった、親の身勝手さが気になった、という人もいました。若いころに読むより、ある程度年を重ねてから読むほうが響きそうな本です。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。