北海道・釧路の湿原を見下ろす高台に建つラブホテル「ホテルローヤル」。その一室を舞台に、ホテルにかかわった人たちの人生を切り取った連作短編です。最初の話では、ホテルはすでに廃墟になっています。そこから話が進むごとに、時間がさかのぼっていきます。
この逆向きの構成がうまい、という感想がとても多いです。一つずつ読み進めるうちに、登場人物たちの人生が少しずつつながり、ホテルがどんな場所だったのかが見えてくる。ラブホテルという場所を通して、男と女の孤独や、地方の町の暮らしのしんどさが浮かび上がってくる、という受け止め方もあります。
全体に暗く、読み終えて虚しさが残った、という声もあります。後半は男性の弱さばかりが目について、まとまりに欠けると感じた人もいました。作者の桜木紫乃さんは、実家が本当にラブホテルを営んでいたことでも知られています。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。