宮沢賢治を、その父・政次郎の目から描いた話です。花巻で質屋を営む政次郎は、家業を継ごうとせず、あれこれ夢を追っては金を無心してくる長男・賢治に振り回されます。厳しい父であろうとするのに、どうしても甘やかしてしまう。その揺れが、明治から昭和のはじめまでの親子の時間の中で描かれます。
「こんなに人間くさい宮沢賢治は初めてだった」という感想がとても多いです。教科書で知っている聖人のような賢治ではなく、わがままで、夢見がちで、父を困らせてばかりの息子。そして、その息子がかわいくて仕方ない父親。親の立場で読んで泣いた、という人もいれば、子の立場で読んで父に会いたくなった、という人もいます。
政次郎の甘さや、賢治のわがままぶりにあきれてしまった、という声も少しあります。ただ、そこまで含めて家族らしい、と受け止める人が多数派です。宮沢賢治の作品をあまり読んだことがなくても楽しめる、という声もありました。
ブクログに300件を超える感想があり、評価は4点台です。映画化もされています。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。