戦争の末期、神戸。空襲で母を亡くした14歳の清太と4歳の妹・節子は、親戚の家を出て、二人だけで防空壕で暮らしはじめます。作者自身の体験をもとにしたこの「火垂るの墓」と、戦後、ハワイ旅行で知り合ったアメリカ人の夫婦を家に招くことになった男の話「アメリカひじき」。この2作で直木賞を受けています。文庫にはほかの短編も入っています。
戦争の悲惨さと、人が尊厳を失っていく姿が胸に迫る、という感想が多い本です。「戦争がなければ」と涙せずにはいられなかった、後の世代に読み継いでほしい作品だ、という声が並びます。アニメ映画で知っていた人が、原作の文章の力に改めて打たれた、という感想もよく見かけました。
句点が少なく、読点で延々とつながっていく独特の文体に、はじめは戸惑う人が多いようです。慣れてくると、そのリズムが映画のような臨場感を生む、という声もあります。救いのない話なので、読むのに気持ちの準備がいる本です。
ブクログでは1,300人以上が本棚に登録しています(『アメリカひじき・火垂るの墓』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。