京都の禅寺・孤峯庵。13歳の少年僧・慈念は、住職の慈海のもとで修行をしています。寺には、慈海が囲っている女・里子が出入りしていました。慈海と里子の関係を間近で見ながら、慈念の心の中には、暗い情念がふくらんでいきます。作者の水上勉さん自身、少年のころに禅寺に預けられた経験を持っています。文庫では「越前竹人形」と一冊になっています。
人の心の奥底をかき出すような描写に引きこまれた、という感想が多い本です。湿り気を帯びた物語の世界と、映像を見ているような風景の描き方が評価されています。少年の孤独と、そこから生まれるものの怖さが胸に残った、という声もありました。
言葉づかいに時代を感じる、という声があります。ただ、全体の評価は高めで、じっとりとした日本の文学の味わいが好きな人にはたまらない一冊のようです。映画化もされています。
ブクログに感想が寄せられています(『雁の寺・越前竹人形』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。