山小屋へ荷物を背負って運ぶ仕事、強力。主人公の小宮正作は、腕の立つ強力として知られる男です。その小宮に、北アルプスの白馬岳の山頂まで、とてつもなく重い石の方位盤を担ぎ上げるという仕事が持ちこまれます。実在の強力の話をもとにした作品です。作者の新田次郎さんは、富士山の気象観測所で働いた経験を持っています。文庫では「八甲田山」「孤島」など、ほかの短編と一冊になっています。
自然の厳しさと、人間の強さや弱さが交錯する短編集だ、という感想が多く見られます。気象の仕事をしてきた作者ならではの、実感のこもった山の描写に説得力がある、という声もありました。緊張感のある、引き締まった文章を挙げる人もいます。
全体に暗く重い、という声があります。長編『八甲田山死の彷徨』を先に読んだ人には、少し物足りなく感じるかもしれません。山岳小説の原点を知りたい人に向いている一冊です。
ブクログに感想が寄せられています(『強力伝・孤島』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。